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2007年5月30日 (水)

「品流し」を知っていますか?

仕事の一環として、定期購読しているビジネス誌「日経ビジネス」。

その最新号(5/28号)の特集が

「本当の教育再生」

Hyoshi .

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現在の学校教育において、「成功」している事例をもとに、今後何をどのようにしていくことが、「人材」だけが資源といっていいわが国が生き残っていけるのか?、というまことにビジネス誌らしい視点で、特集を組んでいます。

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この特集では公立の学校における改革の実践例として、いくつかの学校が紹介されています。

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京都市立堀川高校

現校長の荒瀬先生が教頭のころから取り組んだ、深く探求する教育の実践が、結果的に「堀川の奇跡」と呼ばれるほどの大学進学実績の伸張へも寄与していることが紹介されています。(この学校については、花田も初めて知り、勉強になりました)

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杉並区立和田中学校

今や、「公立中改革」の代名詞ともなっているリクルート社員から転身した藤原校長の実践例。「よのなか」科の実践例も含め、当ブログでも何度か指摘していますが、中学生をいかに「社会化Socialization」していくのかという取り組み、そして、その実践のためにどのように学校をマネジメントしているのかを描いています。

藤原校長の実践例については、↓こちらなどをお読みいただければ分かると思います。

公立校の逆襲 いい学校を作る!

学校法人郁文館夢学園(郁文館中学高校/郁文館グローバル高校)

居酒屋「わたみ」の創業者としても知られる渡邊美樹理事長のもと、「競争原理」を取り入れた経営での改革を図る私立の実践例。生徒アンケート、上司アンケートなど360度評価などで教育実践の向上を図るルポを行っています。

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地下鉄のキヨスクなどでは、まだ販売していると思いますので、ご興味のある方はぜひ。

(保護者の方は、当教室に置いてありますので、お声掛けください。)

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さて、件(くだん)の記事ですが…。

和田中・藤原校長の嘆息(たんそく)として、次のようなことを指摘しています。

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藤原は全国に約1万校ある公立の中学校に、「10年間で3000人の民間出身の校長を送り込もう」という過激なプランもぶち上げた。周囲の中学校にさえ改革が広がらないのはなぜかを考えたうえで出した結論だ。学校を変えるには、藤原自身がそうであったように、トップである校長を入れ替えることが必要な場合が多いと考えている。

「中学校の教育に影響力を行使できる市長などに(民間出身の校長採用を)働きかけている。教育を変えたいという志を持つトップに支持されれば、5年で日本の教育は変えられる」(藤原)

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「瀬戸際」に立っている(危機に瀕している)公立教育の変革を願わずにはいられませんが、この藤原校長の指摘にもあるとおり、残念ながら、多くの学校では「できるはずの改革」にすら着手していないのが現実(ここには、「校長」こそが教員生活の「ゴール」=「上がり」、という、教員キャリアプランの限界もあります)。

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また、逆に改革をしようとした際に、現場の意識がそれについて来られない、という現状もあります。

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それを象徴する言葉が「品流し」

当教室にも品川区在住の生徒が多数在籍していますが、他の区から品川区の小・中に配属されることを「島流し」にかけて「品流し」と呼ぶんだそうです(これも今回の記事で初めて知りました)。

品川区の方はご存知のように、前区長の改革にともない、品川区では全校で学校選択制が実施されており、予算配分もその学校への入学者数によって傾斜されます。いわば、区全体を通じて「競争」している状態。それだけに求められる職務も多く、現場の教員がそれをいやがっているのが実態…。

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読んでいて、情けなくなりました。

圧倒的に「ぬるい」

そんなことだから、教育機関として民間(学習塾)の方が信頼されることになってしまうんだよ、と感じてしまいます。

「競争」だけですべてが上手くいくわけではないですし、「どのような競争をするのか?」ということも再度問われなければならないでしょう。(そのための実践例として、コミュニティ・スクールが成功することを願うばかり)

ただ、いまのような「護送船団方式」で教員を守り続けるならば、公立の信頼はいつまでも回復されることはないはずです。

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教育に競争を!何よりも、目の前にいる生徒のために。

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日経ビジネスの特集も、このような言葉で締めくくられていますが、はやく学校が風通しのよい機関になることを願うばかりです。(日経ビジネスでは、編集長のPodcastもありますので、こちらを聞いてみるのも良いかと思います)

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蛇足ながらに言えば、そのためにも改めて学校教員の拘束時間の長さを含めた重労働についても抜本的な見直しが必要なはずです。

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コメント

お久し振りです。
日経ビジネス、自分も見ました。
公立校に通っているお子さんを持つ保護者の方の言葉に耳を傾けてみると、やはり「学校は信用ならない」というものが目立ちます。
中途半端な形ではありますが、一応塾業界に所属しているものとしては、信頼されていることは喜ばしいことですが、将来のことを考えると複雑な心境です。(笑)
ではでは、長々と失礼いたしました。また今度お邪魔させてもらいますね。それでは。

投稿: Nま田 | 2007年6月11日 (月) 23時06分

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